bobiotop--ビオトープ管理士へ

50男のエコシステム勉強

第2章ビオトープ論 2節ビオトープタイプ

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すっかり日が空いてしまいました。息子の受験とカイロス初号機の散り際を見守っていたら、教科書をわすれ、動きがとれませんでした。

 

国内の”biotop=habitat”としては、熱田神宮御浜町の防風保安林を見た気がします。

1.熱田神宮

気になったのはパワースポットとして紹介される、一乃御前神社からこころの小径の、北部の林です。荒魂の一乃御前神社では、神社庁宮内庁の警備の方が見守ることに畏怖を感じながら、林冠を見たくて上を向いて歩いていました。鳥の鳴き声も数多く、天皇家のシステムが機能してきたために、原生林や水源(遺存種)が残ったということはよくわかりました。巨大な自然物や、時のフィルタを超えてきた生体というのは、それだけでヒトを動かす大きく原動力となる気がします。大木はいいですね。

 

近代以前の熱田神宮社叢の林相の変遷 - J-Stage

 

禁足地が設定されて、経時的に図表が残されているというのは、まさにビオトープの定義通りではないかと思われます。

照葉樹と杉、銀杏の巨木が混在する不思議な景色でした。表土も入れ替わることなく、時代を経た林を見ていると、死んで森や林の一部になる死生観というものも受け入れやすいものに思えました、なかなか一般市民にできるものではありませんが。

 

こころの小径では、見たこともないぐらい大きな椿が生えていて、これが”照葉樹林”ということでしょうか、何度も歩いて植生を確認したいと思いました。次に訪れるのはいつになるかな。

chubu-fukken.com

 私事ですが、50数年前の三重大学林学科の卒業論文は、「外宮・高倉山の照葉樹林植生調査」でした。また、6年前、68歳の時に名工大で受講した修士課程の論文は、「外宮照葉樹林の景観調査」でした。

いい歳の重ね方をされて、勉強になり、他のブログ記事も読んでみたいと思います。

そういえば、仏教で用いる榊も照葉樹だと気づきました。

 

2. 御浜町の防風保安林

御浜町には、吉野熊野国立公園に指定されている七里御浜国有林があります。この国有林は、幅0.1km、長さ22km、樹齢1~80年の防風・保健保安林です。海からの強風や塩分を含んだ潮風から人々の生活や農作物を守っています」と、AIが教えてくれます。

 

日本緑化センターは、以下の解説で三保の松原のような松林ではなく、広葉樹林でも十分風を防いでいるという印象でした。

 七里御浜は、紀州徳川初代藩主・徳川頼信が入国したさい、同行した新宮藩主・水野重中が、浜松から取り寄せたクロマツの苗木を植栽したのがはじまりとされ、見事なクロマツ林が続く海岸でした。しかし、昭和30年代はじめからマツクイムシが猛威をふるい、高木のマツのほとんどが姿を消しました。今では、常緑広葉樹主体の混交林です。 そこで、かつての松林を復活させようと松林造成がなされ、徐々にかつての松林が形成されつつあります。最近では、地域が主体となってみんなで守り育てる活動が活発

 

七里御浜

 

 

ビオトープというより、都市機能としての防風保安林整備の話が多いですが、必ずしも松林にこだわる必要はないのかと思いました。針葉樹林よりは照葉樹広葉樹林の方が多様性を維持できるようにも思います。マツガレムシの結果広葉樹が増えて、今のエコシステムが形成しているのではないかとも思います。

しかし、定期的な植樹で下刈りをすることで、光合成に必要な光量を確保し、ほどよいかく乱が多様性を生み出している側面もあるという切り口もありました。海辺と北海道の内陸を同じくくりでは話せないとしても。

ナンテンハギを唯一のエサとしているのが、近年急速に数を減らしている「アサマシジミ北海道亜種」というチョウ。シマフクロウやタンチョウと同じ、国内希少野生動植物種に指定されていて、ごく近い将来の野生での絶滅の危険性が極めて高いとされています。人間が防風林を適切に管理することが、絶滅が危ぶまれるチョウの保全

海に面した部分を松林として、内陸は広葉樹や照葉樹が占めるような生態系ができると、トレッキングも楽しかろうとおもったり。

植生などの観察や記述が新たな知見を生むのかなと妄想します。

 

地域全体として多様性の高い状況を作りだすこと、どんどんパラメータが多くなってくると、難しいです。和歌山の生態学的指標種による全国水生生物調査(環境省)への参加は少なくなっているように思います。

 

表 水質階級と指標生物の関係
水質階級
種類数
指標生物
水質階級I
10種類
アミカ類、ナミウズムシ、カワゲラ類、サワガニ、ナガレトビケラ類、ヒラタカゲロウ類、ブユ類、ヘビトンボ、ヤマトビケラ類、ヨコエビ
水質階級II
8種類
イシマキガイ、オオシマトビケラカワニナ類、ゲンジボタル、コオニヤンマ、コガタシマトビケラ類、ヒラタドロムシ類、ヤマトシジミ
水質階級III
6種類
イソコツブムシ類、タニシ類、ニホンドロソコエビ、シマイシビル、ミズカマキリ、ミズムシ
水質階級IV
5種類
アメリカザリガニ、エラミミズ、サカマキガイ、ユスリカ類、チョウバエ類

 

water-pub.env.go.jp

ーー脱線ーー

旧浦神小学校は、校舎の裏が漁港という羨ましい立地で、今後スペースワンによるロケット打ち上げが頻繁に繰り返されると、いろいろな夢が広がる場所です。

 

9日とは違って、漁港の縁のコンクリートに寝袋持参で、発射を美しい海山をバックにとらえる予定でした。

 

果たして10秒前のカウントダウン、今回はやや地味ながら、見ている人たちも慣れた感じで、その時を共有し、およそ3秒後に届いた地響きと、山際から小さな飛翔体の放物線に、現場が困惑に包まれました。

続いて白煙がたちあがり、さらに大きな爆発音と徐々に黒煙が混じっていくなかで、それぞれのスマホで、爆破炎上の事実が明らかとなり、嘆息と軽い興奮がまじりました。

応援サイトでは、

3月13日11時01分12秒に打上げを実施いたしましたが、飛行中断措置が行われました。

wakayama-rocket.com

 

スペースワンは、

ステップ2での中断とあります。

 

www.youtube.com

歴史の生き証人にはなりましたが、次の見通しが立つのか、、、応援は続けます。